――ここで、終わり?
クリスタルを手にしたカービィによって致命傷を与えられたツーの意識は、
体に穿たれた穴から溢れる血と共に、ぼろぼろと零れていった。
産まれてから、何一つ残していない。何も成し遂げていない。
自分を守る為に死んでいった、ミラとリアルの仇討ちすら出来なかった。
失意に沈むと同時に、視界が真っ暗に染まり、そして――
「ああ、良かった…!」
がば、と抱き着かれた衝撃と、泣きそうな声でツーは意識を取り戻した。
死んだ筈のミラが、自分を抱きしめていた。
死んだ筈のリアルが、横でほっとした様に息を吐いていた。
その光景に、戦慄が走った。体が震えた。
それは、自分がこの世に産まれおちた時、一番最初に見た光景だったからだ――。